28/09/2026
【睡眠時間が短くても、もう慣れているから大丈夫?】
短くても慣れてるから、そう話される方がいます。
しかし睡眠を専門的に考えると、ここには一つ注意したい点があります。
それは、主観的な眠気と、脳や身体の機能低下は必ずしも一致しないということです。
睡眠不足というと、「昼間に眠くなる」ことだけをイメージしがちですが、影響するのは眠気だけではありません。
睡眠中には、記憶の整理、免疫機能の調節、自律神経や内分泌・代謝機能など、さまざまな生理機能が睡眠・覚醒リズムと関連して変化しています。
特に興味深いのが、慢性的な睡眠制限に関する研究です。
睡眠時間を制限した状態を何日も続けると、注意力や反応速度などの認知パフォーマンスが徐々に低下することが報告されています。
ところが本人は、その低下を十分に自覚できないことがあります。
つまり、
眠くない=睡眠が足りているとは限らない
ということです。
さらに疫学研究では、慢性的な短時間睡眠と肥満、高血圧、2型糖尿病、心血管疾患などとの関連も報告されています。
ただし、ここは誤解してほしくありません。
「6時間睡眠なら病気になる」
「8時間眠れば健康になる」
という単純な話ではありません。
必要な睡眠時間には個人差がありますし、健康への影響を考える場合には、睡眠時間だけでなく、睡眠の規則性、睡眠の質、基礎疾患、運動、食事、ストレスなども考える必要があります。
では、自分の睡眠が足りているかをどう考えればよいのでしょうか。
一つの目安は日中の状態です。
・起床時に強い眠気が残る
・午前中から集中できない
・会議や電車ですぐ眠くなる
・休日になると平日より何時間も長く眠る
・カフェインがないと日中を乗り切れない
こうした状態が続いているなら、睡眠時間や睡眠の状態を一度見直してみる価値があります。
私は健康を考えるとき、睡眠・栄養・運動の3本柱を大切にしています。
運動や食事を意識していても、睡眠を毎日削ってしまえば、身体を整えるという意味では十分とはいえません。
睡眠は「何もしていない時間」ではありません。
脳と身体が翌日の活動に備えるために必要な、生理的な時間です。
まず一週間、自分の就寝時刻・起床時刻と、日中の眠気を記録してみてください。
「何時間寝たか」だけではなく、
その睡眠で日中きちんと機能できているか。
ここまで見て初めて、自分の睡眠を評価できます。