一般社団法人信州上田みらい塾

一般社団法人信州上田みらい塾 宮坂昌之(大阪大学免疫学フロンティア研究センター・招へい教授、大阪大学名誉教授)が代表理事です。医学健康情報の発信を行います。

いったん何らかの心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、心不全などの心血管系疾患の総称)が起きると、その後に認知機能低下や認知症になりやすくなることは以前からよく知られていることです。しかし一つの可能性は、実は、この認知機能低下や認知症が心血管イ...
12/06/2026

いったん何らかの心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、心不全などの心血管系疾患の総称)が起きると、その後に認知機能低下や認知症になりやすくなることは以前からよく知られていることです。しかし一つの可能性は、実は、この認知機能低下や認知症が心血管イベントの前から始まっていて、それが隠れていたために、あたかも「心血管イベントが認知機能低下を引き起こした」ように見えていたのかもしれません。

この点について、オーストラリアと米国の地域居住者で65歳以上の高齢者に対して調査が行われました)(https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2847956)。対象者は、研究登録時に心血管疾患の既往歴がなく、高齢者における心血管イベント減少のためにアスピリン無作為化臨床試験およびその拡張観察研究に参加していた人たちです。 致死性冠動脈疾患、非致死性心筋梗塞、致死性または非致死性脳卒中、心不全による入院心血管疾患などのイベントを発症した症例患者が選ばれ、年齢、性別、学歴で心血管イベント(-)の対照群とマッチングされました。

その結果、何らかの心血管イベントを発症した患者は、発症しなかった患者と比べて、イベントの3~8年前から認知機能が低下していたことが示唆されました。 特に、対照群と比較して、心血管イベント発症群ではイベント発症以前から全般的認知機能、エピソード記憶(ex. 個人の思い出)、処理速度、言語流暢性、実行機能などが低下していましたが、記憶はあまり低下していませんでした。
以上、データが若干ソフトなところはありますが、認知機能の低下は実は心血管イベントの発生前に起きていて、この低下がその後の心血管イベントと関連している可能性が示唆されました。

酒が果たして百薬の長かどうか、これまでにいろいろ議論が行われてきましたが、最近は、酒は少量であっても特定のがんのリスクを上げるとか、死亡リスクが上がるとか、そのようなことを示す統計データを見る機会が増えています。Twitterを見ていたら、...
12/06/2026

酒が果たして百薬の長かどうか、これまでにいろいろ議論が行われてきましたが、最近は、酒は少量であっても特定のがんのリスクを上げるとか、死亡リスクが上がるとか、そのようなことを示す統計データを見る機会が増えています。

Twitterを見ていたら、アルコールのリスクについて触れている論文が紹介されていました。メタ解析といってこれまでの発表論文を総合的に解析したもので、Journal of Studies on Alcohol and Drugsという雑誌に掲載されたものです(https://www.jsad.com/doi/10.15288/jsad.25-00435)。ちなみにこの雑誌のインパクトファクターは2点台で、あまり高いものではありません。ここでは、まあこういう統計データがあるのだな、という感じぐらいでお読みください。

これまでのアメリカの飲酒に関する健康ガイドライン(2020-2025)では、男性は2ドリンク/day、女性は1ドリンク/dayまでに抑えればよいというものでした(1ドリンクとはアルコールにして14gで、ビールだと約350ml、ワインだと約150ml、ウィスキー/焼酎だと約45mlに相当します)。一方、このメタ解析の結果は『アルコール摂取は「少量」(≦1 ドリンク/day)であっても死亡リスクを上げる。保護的なレベルは存在しない』という結論です。アルコール摂取により、男性では、肝硬変、食道がん、口腔がん、不慮の事故、女性では、肝がんなどのリスクが増加するとのことです。ただし、これは一般的な傾向を示したものです。また、どのようなアルコール飲料を飲んだのか、複数種類混ぜて飲んだのか、一日にまとめて飲んだのか、あるいは分けて飲んだのか、などは調べられておらず、アルコールに対する抵抗性(強さ)に関する個人差は考慮されていません。

要するに、アルコールは飲まないに越したことはないという結論です。私は今週末は旧友たちが集まる会があり、飲酒をすることになるはずですが、上記のデータを頭の片隅に置いて、「ややセーブして(笑)」飲みたいと思っています。

新型コロナもインフルエンザも、どちらも大したことがない病気だとか、インフルエンザはこれまでもあった病気で今更心配するようなものではないとか、インフルエンザワクチンなどまったく効果が無いとか、古い知識しかもっていない人たちがいろいろと言ってい...
11/06/2026

新型コロナもインフルエンザも、どちらも大したことがない病気だとか、インフルエンザはこれまでもあった病気で今更心配するようなものではないとか、インフルエンザワクチンなどまったく効果が無いとか、古い知識しかもっていない人たちがいろいろと言っていますが、まずはデータを確認することが大事です。実際にそうしてみると、普通の判断力ある人であれば「これは頭の中身をアップデートしないといけないな」ということになるはずなのですが…。

アメリカでは2024年から2025年にかけて大きなインフルエンザの流行がありました。予備的な統計では、このシーズン、カリフォルニア州だけで、インフルエンザにより61万~100万人が入院し、2万7千~13万人が死亡しています(実は多くの感染者と死者が出ていたのですよ)。

この時のインフルエンザワクチンの効果がどうだったのか、アメリカ・カリフォルニア州政府が主体となって、電子医療データの詳細な解析が行われていて、その結果が、7月10日の専門誌JAMA Network Openオンライン版に掲載されています(https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2850136)。

結果は、図に示すように、ワクチン接種によりインフルエンザの確定診断を受けるリスクが明らかに減っていました(ワクチン有効率40%)。また65歳以上のインフルエンザによる死亡者はワクチン接種によりリスクが約3割低くなっていました(調整オッズ比0.71)。

このように、検査、ワクチン接種、人口動態統計を電子データとして連携することにより、インフルエンザワクチンの有効性が実際に確認されています。サイエンスに関して何か発言される場合には、しっかりとデータを確認した上でされるよう、お願いします。

ビタミンCが風邪を始めとするいろいろな病気に効くという話がありますが、その多くは「神話」のようなもので、実際の科学的エビデンスが薄いものがほとんどです。たとえば、風邪に対しては、メタ解析の結果「一般の人ではたとえビタミンCを毎日大量に摂って...
11/06/2026

ビタミンCが風邪を始めとするいろいろな病気に効くという話がありますが、その多くは「神話」のようなもので、実際の科学的エビデンスが薄いものがほとんどです。

たとえば、風邪に対しては、メタ解析の結果「一般の人ではたとえビタミンCを毎日大量に摂っても風邪の発症率には有意がない」ということがわかっています。

一時期、ひどい火傷に対して大量のビタミンCの点滴が有効だという話が出たのですが、専門誌JAMAの最新号にドイツの研究グループがそのようなことはないという結果を報告しています。その結果、結論は「重度火傷患者の28日死亡率や持続性臓器障害は高用量ビタミンCの静脈内投与では軽減しなかった」ということでした。

どうもこれまでいわれてきたビタミンCの抗酸化作用や血管内皮保護作用は重度火傷患者ではあまり強くなく、たとえ高用量のビタミンCを点滴しても、効果がないだけでなく、むしろ悪い方に働いていることを示す結果が得られています。「ビタミンC神話」がまた一つ、潰れていっているようです。

BCGは結核を予防するワクチンですが、自然免疫を強く刺激することから膀胱内に注入して非特異的な免疫の力を強めがん細胞を攻撃・再発予防するという目的でも使われています。このBCGがⅠ型糖尿病の治療に有用かもしれない、という話が7月9日号のNa...
11/06/2026

BCGは結核を予防するワクチンですが、自然免疫を強く刺激することから膀胱内に注入して非特異的な免疫の力を強めがん細胞を攻撃・再発予防するという目的でも使われています。このBCGがⅠ型糖尿病の治療に有用かもしれない、という話が7月9日号のNature誌のNews欄に出ています。もともとの報告は6月7日にアメリカ糖尿病学会で発表されたものです。

Ⅰ型糖尿病は、すい臓のβ細胞(インスリンを作る細胞)が自己免疫によって壊される病気で、患者さんではインスリンがうまく作られなくなるために血糖値が上がり(=糖尿病となり)、このために外からインスリンを注射によって補給する必要があります。これに対して、上記の学会報告では、Ⅰ型糖尿病患者にBCGを年に1回ぐらいの頻度で数年間投与すると治療上必要なインスリンの投与量を有意に減らすことができたということです。

実は、以前にもマウスの糖尿病でBCGが効くという話が日本の塩野義の研究グループによって発表されていました(https://www.diabetesresearchclinicalpractice.com/article/0168-8227(90)90017-N/abstract)。遺伝的に糖尿病を発症するマウスに対してBCGを投与すると、糖尿病の発症率が下がり、糖尿病になっても軽くて済む、さらにBCG投与マウスから脾臓の細胞を集めて若い糖尿病マウスに投与すると糖尿病が出にくくなる、という報告です。

今回の報告では、既にⅠ型糖尿病と診断された患者34名においてBCG投与によって必要インスリン投与量を減らすことができただけでなく、血糖値が正常である期間が有意に延長したとのことですが、問題はBCGがどうして効いたかです。Ⅰ型糖尿病ではインスリンを作るβ細胞がほとんど無くなっているので、BCGがβ細胞の保護に効いたのではなさそうです。むしろ、マウスで見られたように、BCG投与によってβ細胞などを攻撃する自己免疫のメカニズムが抑えられた(たとえば、抑制性T細胞のような自己免疫抑制のメカニズムが誘導された)のかもしれません。あるいはまったく別のメカニズムが働いたのかもしれません。この点については今後の解析が必要です。

これに関して一番大事なのは、これが再現性のある報告であるかを確認することであり、より大きな臨床試験を行うことが必要なことです。ところが、問題は、BCGが安価でありしかも特許切れなので、果たして製薬会社が大金を必要とする臨床試験に乗り出してくれるかどうかがわかりません。事実、今回のアメリカ糖尿病学会で発表された報告も慈善的な資金援助によって行われたものであり、製薬会社からの援助はありませんでした。

さあ、この話は今後どうなるでしょうか?「金の切れ目が縁の切れ目」にならなければいいのですが…。
https://www.nature.com/articles/d41586-026-01825-w

The shot reduced insulin use for people with type 1 diabetes and another autoimmune condition.

アルツハイマー病の関する少し難しい話です。たとえ脳にアミロイドβ(Aβ)やタウ蛋白質の蓄積がかなりあってもアルツハイマー病を発症しない人たちが居ることが報告されています。つまり、脳に一定の病的変化があってもアルツハイマー病の発症には必ずしも...
07/06/2026

アルツハイマー病の関する少し難しい話です。たとえ脳にアミロイドβ(Aβ)やタウ蛋白質の蓄積がかなりあってもアルツハイマー病を発症しない人たちが居ることが報告されています。つまり、脳に一定の病的変化があってもアルツハイマー病の発症には必ずしもつながらないのです。しかし、これがどうしてそうなるのか、よくわかっていません。

この問題にアプローチするために、デンマークの研究グループが他のヨーロッパの研究グループと共同で、80歳以上の高齢者と、この人たちと同程度のAβ蓄積を持つ100歳以上の高齢者からすでに採取してあった脳の上方前頭皮質(脳の前頭葉上部の領域で、高度な思考、記憶、意思決定などに関わる領域)サンプルを用いて、空間プロテオミクス解析(組織の中で特定の蛋白質がどこに存在し、どのように機能しているかを調べる方法)と単一核シークエンス解析(組織から取り出した核を1つずつ解析する方法;脳の特定の領域でどのような細胞がどのような影響を受けているかを調べることができる)という方法を一緒に行い、両高齢者群における脳の違いについて詳細に解析しました。

その結果、脳でのAβ蓄積に伴って炎症が始まり、その後にタウ蛋白質の蓄積につながる変化が起きるのですが、この移行に伴い、ミクログリア(脳に存在する免疫細胞でマクロファージの一種)においても遺伝子発現の状態がはっきりと変化していました。具体的には、Aβ蓄積の初期にはミクログリアでは初期プラーク誘導遺伝子プログラムとよばれる一連の炎症性の遺伝子変化が起きていましたが、Aβ蓄積の後期にはミクログリアでは後期プラーク誘導遺伝子プログラムと呼ばれる、免疫系の抗原提示細胞で見られるような変化が起きていました。この点、興味深いのは、認知症のない80歳代の高齢者では、前期プログラムは見られていたものの後期プログラムは動いていず、認知症のない100歳以上の高齢者では、後期プログラムまで動いていたものの、タウ蛋白質蓄積には進んでいなかった、ということです。一方、認知症が出ている100歳以上の高齢者では両方の遺伝子プラグラムが動いていただけでなく、タウ蛋白質の蓄積とそれによる病的変化も出現していました。

つまり、Aβ蓄積が起きていても、ミクログリアにおいてその後のタウ蓄積につながるプログラムが動かなければ、あるいはタウ蓄積による病理的変化が起きなければ、認知能力障害にはつながらないという可能性が見えてきました。もしかすると、脳の免疫細胞であるミクログリアがどのような状態であるかによって、タウ蓄積による病理的変化が出たり出なかったりして、その結果として、認知症が顕在化したり、あるいは現れてこなかったりするのかもしれません。そうであれば、ミクログリアが認知症発現に関する抵抗性において重要な鍵を握っている可能性があり、アルツハイマー病治療の新たな標的として注目されることになりそうです。

これまでアルツハイマー病は脳のニューロンやその周囲のアストロサイトの病気と考えられてきましたが、アルツハイマー病が出るかでないかの決定に、もしミクログリアのような免疫細胞が関与しているとなると、これはアルツハイマー病の理解、治療に関しては新たなフェーズに入ることとなります。医学は日進月歩の世界です。

Microglia cellular changes underlie divergent resilience-associated mechanisms in human aging.

子どもの新型コロナ感染は大人に比べて軽い傾向があり、後遺症症状を示すのも大人よりも割合として少ない傾向にありますが、それでも感染後長い期間、運動後の強い疲労感やだるさ、起立障害などの自律神経系障害と思われる障害が続く子どもたちがいます。しか...
07/06/2026

子どもの新型コロナ感染は大人に比べて軽い傾向があり、後遺症症状を示すのも大人よりも割合として少ない傾向にありますが、それでも感染後長い期間、運動後の強い疲労感やだるさ、起立障害などの自律神経系障害と思われる障害が続く子どもたちがいます。しかし、現在のところ、これが小児の新型コロナ後遺症の診断マーカーであるというはっきりとしたものはありません。

この点、ドイツの研究グループが小児の新型コロナ後遺症患者と健常小児において網膜の血管を非侵襲的かつ経時的に検査をして、その結果をScientific Reports誌に報告しています(https://www.nature.com/articles/s41598-026-54086-y )。具体的には、網膜の微小血管の口径とフリッカー誘発性血管反応性を経時的に調査を行い、その結果を分析したものです。

健常対照群と比較した多変量解析を行うと、小児の後遺症患者では、中心網膜細動脈相当径および中心網膜細静脈相当径ともに健常群と比べて有意に大きくなっていました。この所見は、感染後数ヶ月経過した時点においても見られていて、少なくとも一部の患者では何か目の血管に異常(おそらく血管内皮細胞の異常)があることが示唆されました。ただし、この変化の大きかった小児では、いずれも時間とともにこの変化は消えていく傾向があり、可逆性の変化であることが示唆されました。
問題は、これが新型コロナ後遺症にとって一次的なものか(原因に関係するものか)、それとも後遺症の結果起きた二次的なものかですが、現時点では不明です。ただ、後遺症症状を理解する上で一つの大事な知見かもしれません。

このような変化が起きうることを知らずに、子どもは新型コロナにかかったほうがいいなどと今でも言っている人たちが居ますが、「知らない」というのは怖いことです🥲。

抗体は、医学・生物学研究では便利な試薬としてよく使われます。それは抗体の特異性が通常は非常に高く、特定のもの(=抗原)にしか結合しない、とされているからです。事実、抗体の定義は抗原にしか結合しないものであり、一方、抗原の定義は抗体に結合する...
07/06/2026

抗体は、医学・生物学研究では便利な試薬としてよく使われます。それは抗体の特異性が通常は非常に高く、特定のもの(=抗原)にしか結合しない、とされているからです。事実、抗体の定義は抗原にしか結合しないものであり、一方、抗原の定義は抗体に結合するものです。

ところが、例外がときどきあります。たとえば、用いられていた抗体が正しいものではなかったり(=間違った抗体が使われていたり)、抗体を使って得られた結果が実は誤って解釈されたりしていることがあります。でも、こういう基本的なことをマスコミの方々はご存じないことが多いので、抗体を使って得られた結果がそのまま事実であるかのように単純化されて報道されている場合がよくあります。

実は、抗体が結合するのは単一の相手とは限りません。特に、研究目的で市販されている抗体には、その特異性が怪しいものが多々あります。たとえば、あるタンパク質に対する抗体は、それと配列がよく似た別のタンパク質に結合することがあります。抗体というのはタンパク質の中の特定のアミノ酸配列あるいはその立体構造を認識して作られるので、一つの抗原と思われていた分子の中に複数の抗原となりうる部位があった場合には、一種類の抗体が複数種類の抗原に結合することがあるのです。その一つの例と思われるのが、新型コロナ感染後にスパイクタンパク質が心筋や皮膚に長期残存していたという報告の多くです。そもそも用いられていた抗体の特異性が怪しく、その特異性を確認する実験を行わないまま性急な結論を下しているものがほとんどです。つまり、免疫学者の目から見たら科学的に信頼度の低い怪しげな知見なのですが、マスコミの方々やエセ専門家の方々はそれを理解せずに、新聞、テレビやTwitterなどでこれらの報道があたかも真実であるかのように語られています。その一つの例を以前に挙げました(https://www.facebook.com/masayuki.miyasaka.9/posts/pfbid022QGUbVfrviscuTDjxboCnxCoLHw8TQ33KysxDtBToytojK6Gay8KihbDW26nMjUyl)。
実は同様な話が海外でも起きています。7月5日号のScience誌に、これまで長い間、Aに対する抗体と思って使われていた抗体が実は別の物質Bに対するものであり、これまでに発表された300以上の論文(そのいくつかはNature, Nature Medicine, Cancer Cellなどの一流誌に載ったもの)が間違った抗体を用いて間違った結論が下していた可能性がある、と報じられています。あるいは間違った抗体では絶対に得られないような結果が示されれていて、結果のねつ造が疑われるケースもあるようです。

専門分野の話に関して真偽確認するためには専門家に確認を依頼する必要があるのですが、これは、その専門家とよばれる人たちがこのような初歩的な誤りをしていたという実例です。知らずに落とし穴に落ちたというケースかもしれません。あるいは、もしかすると、理屈に合わない結果が出ながらつじつま合わせのために事実と違うことを書いていたケースがあったのかもしれません(とすれば、あってはならないとんでもないことですが…)。

Cancer and cell aging studies may have relied on antibodies to incorrect molecule

RAS変異とは細胞の増殖や生存を司るRAS遺伝子に起きる異常のことです。この遺伝子に変異が起きると、細胞増殖に関するシグナルが常にオンになってしまい、がん細胞がむやみやたらに増殖し、転移する原因となります。以前に私のポストで、RAS変異に対...
07/06/2026

RAS変異とは細胞の増殖や生存を司るRAS遺伝子に起きる異常のことです。この遺伝子に変異が起きると、細胞増殖に関するシグナルが常にオンになってしまい、がん細胞がむやみやたらに増殖し、転移する原因となります。以前に私のポストで、RAS変異に対する分子標的薬がすい臓がん治療に有効に用いられていることを紹介しました。https://www.facebook.com/masayuki.miyasaka.9/posts/pfbid0GibL6NBQupxnU8maT8hyTbkUWmuZSKR39Wxd4aQ3vNAHjieq5WoHGsijb3dsLj7Wl

RAS変異は非小細胞性肺がんの約15%にも見られ(主に腺がん、KRAS変異)、ドライバー遺伝子変異(=がんの発生、進行に直接関与する遺伝子変異のこと)として働きます。これに関して、最新号のScience Advancesに、KRAS陽性の肺小細胞がん(腺がん)に対するモノクローナル抗体療法の予備的結果が報告されています。
この研究では、アメリカの研究グループが、肺腺がんでプロトカドヘリン7 (PCDH7)という細胞表面分子が過剰に発現していたことから、PCDH7に対するモノクローナル抗体をマウスで作成しました。その結果、マウスの実験モデルでは、この抗体を投与することにより、既に出来ている肺腺がんが縮小し、生存期間を大きく延ばすことができるようになりました。そこで、彼らはこの抗体をヒトで使えるようにヒト化抗体Hu-mAb7を作ったところ、この抗体はそのFc受容体結合部分を介してNK細胞やキラーT細胞と結合し、これらの細胞依存性のがん細胞殺傷作用を示し、さらにがん細胞上のPCDH7分子に結合することによって細胞内にMAPKキナーゼ依存的シグナルを入れてがん細胞の機能を阻害することがわかりました。

この研究はまだマウスを用いた実験モデルの段階ですが、これらの知見はこの抗体がKRAS陽性の肺腺がんの治療における新しい分子標的薬として使える可能性を示しています。分子標的薬は1つだけだとそれに対する耐性を持つがん細胞が生まれてくるのですが、先に小細胞肺がん上の別の分子であるALKを標的とした新子治療の可能性についても紹介しています。https://www.facebook.com/masayuki.miyasaka.9/posts/pfbid028MGAsisueNvtPTPKxYL24BSxgMFNaK69AWd9X8usJo57osw5DCmaRfPxZbpH8W4fl
このように、複数の分子標的薬が出来てくると、がん細胞を次から次へと「もぐら叩き」をすることができる可能性が生まれます。

人は普通「おなら」を一日にどのぐらいするのか?オーストラリアの研究グループが一般社会で生活する約6,400人からアプリを使ってアンケート調査を行ない、その結果が専門誌JAMAに載っています(https://jamanetwork.com/....
07/06/2026

人は普通「おなら」を一日にどのぐらいするのか?オーストラリアの研究グループが一般社会で生活する約6,400人からアプリを使ってアンケート調査を行ない、その結果が専門誌JAMAに載っています(https://jamanetwork.com/.../jamanetwo.../fullarticle/2849635)(おならのことでもしっかり調べたら一流の雑誌に載るのですね;ちょっと感心しました😉;へへへ)。

おならは一般にお腹の調子さらには健康状態も反映するので、その調査の内容と問題点をここに紹介します。

アンケートに応じた人たちの内訳は、26~65歳76.8%、女性50.7%、学士号取得者30.5%、東部諸州出身者73.9%と、おおむねオーストラリアの人口を代表するものでした。参加者は平均10日間にわたってアプリを介してデータを登録しました。

その結果、おならの回数は1日平均5.0±3.8 回、中央値は3.8 回という結果でした。男性は女性よりも放出回数が多い傾向がありました。もっとも年齢が若いグループは他のすべての年齢層と比較して1日あたりの放出回数が最小でした。
1日の変動を見ると、お昼頃は少なく、その後徐々に増え、午後6時から10時の間がピークでした。これは、総エネルギー摂取量および食物繊維摂取量に比例していました。

以前のアメリカでの統計では、おならの1日平均回数は約8回だったそうですが、これは今回の調査でも指摘されていますが、食べ物の種類、特に食物線維の量にかなり依存するところがありそうです。つまり、国によってもかなり違う可能性があります。それと、上記の調査では、自分でおならの回数をアプリに記入する方式だったので、睡眠中のおならの回数がカウントされていません。それと、1人が1回に放屁するガスの量は過去の報告によると35-125mlと大きな個人差があるとのことです(Tomlin J et al, Investigation of normal flatus production in healthy volunteers. Gut 32:665-669, 1991.)。

となると、単に回数だけを見ていても、おならの「全体像」は見えないのかもしれません。また、アンケートに応じた人にある種のバイアスがかかっている可能性もあります(おならの回数が多いと思っている人は遠慮してアンケートに応じない可能性があるかもしれない)。

でも、うるさいことを言わずに、他国の「おなら状況」がこんなものであるぐらいに「へーっと思って😅」このデータを読んではどうでしょうか。うさん臭い話ではないようです。

蛇足です。Geminiが教えてくれた「臭い」ジョークです。
Q: なぜおならは、した本人よりも、周りの人の方が激しくダメージを受ける(臭く感じる)のでしょうか?
A: 「Wi-Fiと同じだからです。発信源に一番近い人が、最も強いシグナルを浴びているように見えて、実は周囲のデバイスに『データ(臭い)』が拡散されていくからです。しかも、パスワードなしで強制接続されます」。な~るほど🤣!

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長野県上田市大手2-1/5
Ueda-shi, Nagano
386-0024

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