東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門

東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門 当科は、現在14床のICUを有しており、その全患者を集中治療科が中心となって管理をしています。米国式集中治療を身につけた指導医の下、重症患者の管理を、各専門科・コメディカルと連携して行っています。

病院に来たのに、どうして悪くなっているのですか。重症患者さんのご家族と話すなかで、このような問いに向き合うことがあります。医学的には、病院に来たから悪くなったわけではありません。病気の勢いが強く、治療をしてもなお状態が悪くなっている。しかし...
31/05/2026

病院に来たのに、どうして悪くなっているのですか。

重症患者さんのご家族と話すなかで、このような問いに向き合うことがあります。

医学的には、病院に来たから悪くなったわけではありません。
病気の勢いが強く、治療をしてもなお状態が悪くなっている。

しかし、ご家族から見えている景色は違います。

治療しているのに良くならない。
大切な人が、病院で悪くなっていく。

その現実を前にすれば、そう言いたくなる気持ちは想像できます。

医学的に正しい説明だけでは届かないことがある。
その言葉の奥にある無念さと、ICUでの家族対応について書きました。

こんにちは、東京ベイ・浦安市川医療センター(TBMC) 集中治療部門のフェローです。 先日、スエードのドライビングシューズを洗った。 結構履いているので、もともとの色味がよくわからない。もしかしたら、もっとさ.....

【論文紹介】当院スタッフの中澤先生によるEditorial CommentaryがJournal of Thoracic Diseaseに掲載されました。テーマはARDSにおけるDriving Pressureです。近年のSTAMINA t...
28/05/2026

【論文紹介】

当院スタッフの中澤先生によるEditorial CommentaryがJournal of Thoracic Diseaseに掲載されました。

テーマはARDSにおけるDriving Pressureです。

近年のSTAMINA trialでは、driving pressure制限戦略による明確な予後改善は示されませんでした。しかし本論文では、その結果を単純に「Driving pressureは重要ではなかった」と解釈するのではなく、

・どの患者に
・どのタイミングで
・どのような生理学的背景で

driving pressure-guided ventilationが意味を持つのか、という観点から考察しています。

ARDSを“均一な肺”ではなく、“functional lung size”として捉える整理も非常に示唆に富んでおり、人工呼吸管理を改めて考えさせられる内容でした。

ぜひご覧ください。

Targeting driving pressure in ARDS: refining the “When” and “How” after the STAMINA trial

指導医によって言うことが違う。レジデントにとっては、かなり混乱する場面です。昨日は「針を寝かせる」と言われたのに、今日は「角度をつける」と言われる。A先生には褒められたのに、B先生には微妙な顔をされる。ただ、これは単なる教育のバグではありま...
24/05/2026

指導医によって言うことが違う。

レジデントにとっては、かなり混乱する場面です。

昨日は「針を寝かせる」と言われたのに、今日は「角度をつける」と言われる。
A先生には褒められたのに、B先生には微妙な顔をされる。

ただ、これは単なる教育のバグではありません。

臨床の知識は、情報のようにそのまま渡せるものではなく、経験・試行錯誤・振り返り・他者との対話を通して、自分の中で組み立てていくものです。

だからこそ、指導医ごとの違いは、混乱の原因にもなりますが、学習資源にもなります。

大事なのは、Should do(するべきこと)と Could do(してもよいこと)を分けること。
そして、教える側も自分の実践知を絶対化しないこと。

医学教育の構成主義や文脈依存性を、ICUの現場あるあるから考えてみました。

こんにちは、東京ベイ・浦安市川医療センター(TBMC) 集中治療部門のフェローです。 最近、教育ネタばかりですが、今週もまた… ICUで手技をしていると、わりとよく見る光景があります。 A先生は言う。 「針はもう少し.....

教育の目的は、最終的には行動変容です。医療者教育であれば、知識が増えた、勉強になった、で終わるのではなく、報告、判断、ベッドサイドでの観察、チームの中での振る舞いが変わり、その先で患者アウトカムの改善につながることが重要です。ただ一方で、指...
18/05/2026

教育の目的は、最終的には行動変容です。

医療者教育であれば、知識が増えた、勉強になった、で終わるのではなく、報告、判断、ベッドサイドでの観察、チームの中での振る舞いが変わり、その先で患者アウトカムの改善につながることが重要です。

ただ一方で、指導したその場でローテーターの行動が変わらないからといって、それをすぐに「教育の失敗」と見なしてよいのか、ということも考えます。

行動として見える前に、頭の中で患者さんの見え方や、情報のつなげ方が少し変わっていることがある。

いわば、見取り図に一本の補助線が引かれている途中かもしれません。

目の前で行動変容を起こさせようとしすぎると、指導は簡単に押し付けになり、「理解に基づく行動」ではなく「怒られないための行動」を増やしてしまうことがあります。

教育には、行動を求める厳しさと、見えない変化を待つ忍耐の両方が必要なのかもしれません。

というnoteを書きました。

こんにちは、東京ベイ・浦安市川医療センター(TBMC) 集中治療部門のフェローです。 突然ですけど、私は今、キャベツとレタスの違いがわかります。 大学生くらいまでは少し怪しかったですが、今はさすがにわかります.....

新しいnoteを書きました。今回のテーマは、初学者ほど労働時間外の時間が必要だ、という話です。長く病院にいることと、学ぶことは同じではない。長時間働けば体験は増える。でも、振り返りや整理や言語化がなければ、それは経験にならない。そして、初学...
10/05/2026

新しいnoteを書きました。

今回のテーマは、初学者ほど労働時間外の時間が必要だ、という話です。

長く病院にいることと、学ぶことは同じではない。
長時間働けば体験は増える。でも、振り返りや整理や言語化がなければ、それは経験にならない。
そして、初学者と熟達者では、長時間労働の意味そのものが違う。

そんなことを、昔の「労働し放題プラン」を思い出しながら書きました。

少し厳しめのことも書いています。
でも、今の研修医やローテーター、フェローを見ていると、なおさらそう思うのです。
次の世代まで同じプランに加入させる必要はない。

よかったら読んでみてください。

こんにちは、東京ベイ・浦安市川医療センター(TBMC) 集中治療部門のフェローです。 みなさん、なんかサブスク入っていますか? Amazon Prime、Netflix、Disney+… iCloudもGoogleもMicrosoftもサブスクですよね… 自分はThe Pittが見た.....

ICUでの緩和ケアと不作為バイアスについて書きました。すでに始まっている生命維持治療を続けることは、本当に患者さんのGoals of careに合っているのか。一方で、「何もしないわけにはいかない」という気持ちから、患者さんのゴールに届かな...
03/05/2026

ICUでの緩和ケアと不作為バイアスについて書きました。

すでに始まっている生命維持治療を続けることは、本当に患者さんのGoals of careに合っているのか。

一方で、「何もしないわけにはいかない」という気持ちから、患者さんのゴールに届かない医療を重ねていないか。

Omission biasとCommission biasの観点から、生命維持治療の継続、苦痛緩和、そして患者さんの価値観を尊重することについて考えました。

ICUでの緩和ケアは、何もしないことではなく、医療を患者さんのゴールに合わせて組み替えることだと考えています。

こんにちは、東京ベイ・浦安市川医療センター(TBMC) 集中治療部門のフェローです。 この世の中には、LINEの作法というものがあるらしい。 最後はスタンプで返す。既読スルーしない。返事が遅れるなら一言入れる。スタ....

「とりあえず今日はこのままで」何かを決定しないといけない時、よく聞く言葉です。一見すると慎重で、安全な判断に見えることもあります。でも、現状維持はひとつの意思決定です。中心静脈カテーテルを抜かないこと。抜管をしないで人工呼吸器を続けること。...
26/04/2026

「とりあえず今日はこのままで」

何かを決定しないといけない時、よく聞く言葉です。
一見すると慎重で、安全な判断に見えることもあります。

でも、現状維持はひとつの意思決定です。

中心静脈カテーテルを抜かないこと。
抜管をしないで人工呼吸器を続けること。
日々の採血で、とある項目をチェックし続けること。

これらは「何もしていない」のではなく、無意識に「続ける」と決めているとも言えます。

“するリスク”は見えやすい。
でも、“しないリスク”は見えにくい。

今回は、不作為バイアス、Omission biasについて書きました。

ぜひご覧ください。

こんにちは、東京ベイ・浦安市川医療センター(TBMC) 集中治療部門のフェローです。 学生の頃、スーパーでグレープフルーツを買ったことがある。 なぜ買ったのかは覚えていない。たぶん安かったのだと思う。 そもそも....

新しい職場には、医学的な実力だけでは乗り越えられない大変さがあります。物品の場所や電カルの使い方だけではなく、この組織の中で自分は役に立てるのか、信用してもらえるのか、居場所を作れるのか。そんな少しざらついた時期を、大変ではあるものの、自分...
19/04/2026

新しい職場には、医学的な実力だけでは乗り越えられない大変さがあります。

物品の場所や電カルの使い方だけではなく、この組織の中で自分は役に立てるのか、信用してもらえるのか、居場所を作れるのか。
そんな少しざらついた時期を、大変ではあるものの、自分は嫌いではありません。

今回は、昔自分が思い描いていた「カウボーイ型救急医」という働き方を入口に、長く同じ場所にいることの強さと、ときどき柵の外を見たくなる気持ちについて書きました。

よろしければぜひご覧ください。

こんにちは、東京ベイ・浦安市川医療センター(TBMC) 集中治療部門のフェローです。 昔、カウボーイ型救急医を目指していました。 と言っても、ファッションの話ではない。 西部劇みたいに救急外来の廊下をブーツで歩....

新しいnoteを書きました。TLTは Time-Limited Trial。でも、この言葉、どうしても「タイムリミットが来たら終わり」と聞こえていないか心配です。本来TLTは、期限が来たら打ち切るための仕組みではなく、その時点でいったん立ち...
12/04/2026

新しいnoteを書きました。

TLTは Time-Limited Trial。
でも、この言葉、どうしても「タイムリミットが来たら終わり」と聞こえていないか心配です。

本来TLTは、期限が来たら打ち切るための仕組みではなく、
その時点でいったん立ち止まって、治療の反応や患者さんのゴールを再評価するための枠組みです。

しかも日本では、生命維持治療を始めたあとに withdraw を柔軟に行うことが難しい施設も少なくありません。
だからこそ、TLTは単なる「お試し」ではなく、開始しやすくするための安全装置であると同時に、出口戦略がなければ成立しにくい、少しややこしい概念でもあります。

Time-Limited ではあっても、Time limit ではない。
白黒を急ぐほど話はわかりやすくなりますが、こういう話ほど、それでは本質を見誤るのだと思います。

そんなことを、現場目線で整理して書いてみました。
よければ読んでみてください。

こんにちは、東京ベイ・浦安市川医療センター(TBMC) 集中治療部門のフェローです。 昔、ウクライナのリビウに行きました。 そのあと、せっかくなら隣のルーマニアにも行きたいなと思ったんです。 ところが駅に着いて....

主治科が難しい患者さんを前に「なんとか助けたい」と思っているとき、集中治療医は最初から一歩引いて評論家のように振る舞うべきではない。まずは同じ方向を向くことから始めるべきではないか。そんなことを考えた記事です。途中で立ち止まるべき時はもちろ...
05/04/2026

主治科が難しい患者さんを前に「なんとか助けたい」と思っているとき、集中治療医は最初から一歩引いて評論家のように振る舞うべきではない。まずは同じ方向を向くことから始めるべきではないか。そんなことを考えた記事です。

途中で立ち止まるべき時はもちろんあります。でも、それは最初から違う方向を向くこととは違うはずです。

「まず主治科と同じ方向を向くことから始めよう」

こんにちは、東京ベイ・浦安市川医療センター(TBMC) 集中治療部門のフェローです。 スポーツ観戦してると、 「今のは決めてくれよー!!」 「そこはパス出してよー!!」 とつい言ってしまいます。 ピッチに立っている人は....

住所

当代島3-4/32
Urayasu, Chiba
2790001

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