東海大学医学部 臨床疫学ラボ(衛生学公衆衛生学)

東海大学医学部 臨床疫学ラボ(衛生学公衆衛生学) Clinical Epidemiology Lab (Department of Preventive Medicine), Tokai University School of Medicine

📢 論文が出版されました日本透析医学会レジストリ(JRDR)の約22万人の維持血液透析を受ける方を対象に、8年間の身体機能の変化と予後を検討した研究が出版されました。Niihata K*, Kurita N* #, Inanaga R, T...
05/06/2026

📢 論文が出版されました

日本透析医学会レジストリ(JRDR)の約22万人の維持血液透析を受ける方を対象に、8年間の身体機能の変化と予後を検討した研究が出版されました。

Niihata K*, Kurita N* #, Inanaga R, Toida T, Abe M, Masaki T, Yamamoto S. (*co-first authors; author)
Long-Term Frailty Progression and Mortality in Hemodialysis: Impact of Dialysis Duration and Baseline Frailty in a Nationwide Japanese Cohort
Clinical and Experimental Nephrology 2026; 30: 767–779. doi:10.1007/s10157-026-02839-4
https://link.springer.com/article/10.1007/s10157-026-02839-4

透析医療では「どれだけ長く生きるか」だけでなく、「どのように生活できるか」も重要なテーマです。しかし、長期間にわたる身体機能の変化については十分なデータがありませんでした。

本研究では、

✅ 透析歴が長い方ほど、その後の身体機能低下や死亡と関連していた
✅ ベースラインの身体機能が低い方ほど、長期予後は不良であった
✅ 死因にも違いがみられ、身体機能が低い方では感染症や心不全による死亡の割合が高かった

ことが分かりました。

一方で、本研究はレジストリデータを用いた観察研究であり、個々の方の経過を予測するものではありません。また、「身体機能」を簡便な指標で評価している点などの限界もあります。

それでも、透析導入後の長期経過について現実的な見通しを共有し、ご本人やご家族と価値観に基づいた共同意思決定やアドバンス・ケア・プランニングを行う上で、一つの参考となるデータを提供できたのではないかと考えています。

【透析患者における“経済毒性”に関する論文が出版されました💊】透析医療は日本では公的助成が充実していますが、それでも「治療費や生活への経済的影響に伴う苦痛(経済毒性)」を抱える患者さんが少なくありません。本研究では、6施設の血液透析患者さん...
22/05/2026

【透析患者における“経済毒性”に関する論文が出版されました💊】

透析医療は日本では公的助成が充実していますが、それでも「治療費や生活への経済的影響に伴う苦痛(経済毒性)」を抱える患者さんが少なくありません。

本研究では、6施設の血液透析患者さんを対象に、
✅ 約7割が何らかの経済毒性を経験していること
✅ 経済毒性が強いほど、服薬の煩雑さ・飲み忘れ・服薬行動の困難度が高いこと
✅ その背景に感情的な負担が仲介している可能性
を示しました。

「服薬アドヒアランス」を、単なる“患者さんのやる気”だけで説明できないことを示唆する結果であり、臨床医や医療政策担当者にとって興味深い内容になったと思います。

Inanaga R, Toida T, Aita T, Kanakubo Y, Ukai M, Toishi T, Kawaji A, Matsunami M, Okada T, Munakata Y, Suzuki T, Kurita N.
Prevalence of financial toxicity and its association with medication adherence among patients undergoing haemodialysis under comprehensive public support in Japan
Journal of Nephrology. 2026.

AbstractBackground. Beyond affordability, financial strain can induce psychological stress and a sense of financial distress, collectively termed “financia

教員が研究デザインや論文化指導で深く関わったコロナ不安に関する共同研究の論文が出版されました。筆頭著者を東海大学腎内分泌代謝内科ご出身の川地 惇朗先生が担いました🎉Fear of COVID-19 and Multidimensional ...
16/05/2026

教員が研究デザインや論文化指導で深く関わったコロナ不安に関する共同研究の論文が出版されました。
筆頭著者を東海大学腎内分泌代謝内科ご出身の川地 惇朗先生が担いました🎉

Fear of COVID-19 and Multidimensional Health Literacy Among Patients on Hemodialysis: A Multicenter Cross-Sectional Study

Atsuro Kawaji, Ryohei Inanaga, Mamiko Ukai, Tetsuro Aita, Yusuke Kanakubo, Takumi Toishi, Masatoshi Matsunami, Tatsunori Toida, Yu Munakata, Tadao Okada, Tomo Suzuki, Noriaki Kurita

https://doi.org/10.1002/1744-9987.70156

Introduction This multicenter cross-sectional study evaluated fear of COVID-19 after vaccination and the association between multidimensional health literacy (HL) and fear in patients undergoing hem...

【全国腰痛疫学調査を用いた ODI version 2.1a の国民標準値をThe Spine Journal誌に報告しました】https://doi.org/10.1016/j.spinee.2026.04.0242023年、「日本腰痛学...
09/05/2026

【全国腰痛疫学調査を用いた ODI version 2.1a の国民標準値をThe Spine Journal誌に報告しました】

https://doi.org/10.1016/j.spinee.2026.04.024

2023年、「日本腰痛学会」では、20〜90歳の全国一般住民を対象とした大規模訪問調査「腰痛疫学調査」を実施しました。

本研究では、この全国調査データを用いて、日本語版 Oswestry Disability Index(ODI version 2.1a)の計量心理学的妥当性の検証と、日本人一般住民における国民標準値(normative values)の推定を行いました。

解析の結果、ODI version 2.1a は、日本人一般住民において単一の総合スコアとして適切に利用できることが確認されました。

また、腰痛有訴者におけるODIの国民標準値は平均20.23(SD 16.42)であり、腰痛の持続期間によって値が異なることも示されました(急性12.54、亜急性13.54、慢性22.74)。

本研究の知見は、臨床現場における障害度評価や、研究における比較指標として、ODI version 2.1aをより適切に解釈・活用するための基盤になることが期待されます。

本研究は、福島県立医科大学整形外科学講座の遠藤先生を筆頭著者として、二階堂先生、紺野名誉教授らが推進してきた全国腰痛疫学研究プロジェクトの一環として実施されました。指導教員は、調査票設計、研究デザイン、統計解析、論文作成に至るまで、研究全体にわたりコミットしました。

ODIの計量心理学的評価については、関西大学の脇田貴文教授、全国住民調査データの適正利用については、福島県立医科大学医療研究推進センターの小早川雅男教授をはじめ、多くの先生方にもご支援いただきました。

🔧【サイト更新中のお知らせ】🔧指導教員の 東海大学医学部 への移籍に伴い、現在ウェブサイト・SNSの内容を順次更新しております。一部のページには、旧所属である 福島県立医科大学 の情報が含まれている場合がありますが、今後、「東海大学医学部 ...
09/05/2026

🔧【サイト更新中のお知らせ】🔧

指導教員の 東海大学医学部 への移籍に伴い、現在ウェブサイト・SNSの内容を順次更新しております。

一部のページには、旧所属である 福島県立医科大学 の情報が含まれている場合がありますが、今後、
「東海大学医学部 臨床疫学ラボ(衛生学公衆衛生学領域内)」の情報へ順次変更してまいります。

🌱 ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

東海大学医学部への移籍に伴い、現在、ウェブサイトの内容を順次更新しております。一部のページには、旧所属(福島県立医科大学)の情報が含まれている場合がありますが、順次、東海大学医学部 臨床疫学ラボ(衛生.....

📘 主指導教員の総説論文がClinical and Experimental Nephrology誌から出版されましたKurita N.Clinical epidemiology for comprehensive kidney care:...
31/01/2026

📘 主指導教員の総説論文がClinical and Experimental Nephrology誌から出版されました

Kurita N.
Clinical epidemiology for comprehensive kidney care: a framework for developing clinical research questions, from biomarkers to patient-reported outcomes
🔗 https://doi.org/10.1007/s10157-026-02822-z

本論文は、
👉 「日常診療で生まれるクリニカルクエスチョンを、どうすれば“良い臨床研究”に育てられるのか?」
という問いに、臨床疫学のフレームワークから答えた総説です。

🔹 医療の質を評価する基本的な視点(構造・プロセス・アウトカム) を軸に
🔹 バイオマーカーの評価から
🔹 患者報告アウトカム(PROs)
🔹 さらに 医療者–患者関係、信頼、希望 といった“数値化しにくい要素”まで

を、クリニカルクエスチョンとしてどう位置づけ、どうデザインするかが、実例とともに解説されています。

🧠 統計手法そのものだけではなく、
👉 「クリニカルクエスチョンをどう研ぎ澄ますか」
👉 どのレベル(患者・医療者・システム)に着目するのか

が、研究の質を左右することを具体的に示しました。

🌱 こんな方におすすめ
👩‍⚕️👨‍⚕️ 臨床をしながら研究も考えている方
📊 臨床研究をこれから始めたい初学者
🩺 医師だけでなく、看護師・多職種で「患者中心のケア」を考えたい方

この論文が、次世代の医療者・研究者が腎臓領域の臨床研究を形にするための指針の1つになることを願っております。

【研究紹介 🧪】腹膜透析(PD)患者さんにおける血清マグネシウム低値の頻度と臨床的意義を検討した論文が出版されましたNakata K, Toida T, Kurita N, Abe M, Hanafusa N, Joki N.Hypomag...
26/12/2025

【研究紹介 🧪】腹膜透析(PD)患者さんにおける血清マグネシウム低値の頻度と臨床的意義を検討した論文が出版されました

Nakata K, Toida T, Kurita N, Abe M, Hanafusa N, Joki N.
Hypomagnesemia in Peritoneal and Hybrid Dialysis: Prevalence, Predictors, and Association with Atrial Fibrillation
Clinical and Experimental Nephrology

🔻 血清Mg ≤1.5 mg/dL の割合
・PD単独:6.2%
・HD併用:3.6%
・HD:0.5%

PD患者さんで低Mg血症が多く、心房細動の有病と強く関連していました(調整後オッズ比 約3倍)。

📊 血清Mgの低くなる傾向と関連する因子
・残腎機能が高い
・透析液使用量が多い
・PETのD/P比が高い
・アイコデキストリン使用

本研究は東邦大学 常喜教授と企画し、中田先生、戸井田先生、主指導教員と共同で解析・論文化しました。

⚠️ 本研究は横断研究に基づく知見であり、因果関係の検証には今後の研究が必要です。

📄 URLはこちら:https://doi.org/10.1007/s10157-025-02810-9

📄 博士研究員の會田先生・岡山大学の宮脇先生・片山先生らと行った研究論文 がJ Gen Fam Medicine誌から出版されました!日本人成人の患者さんを対象に、日本の外来で起こり得る可能性がある「処方のエラー」「予約のエラー」「話してい...
13/12/2025

📄 博士研究員の會田先生・岡山大学の宮脇先生・片山先生らと行った研究論文 がJ Gen Fam Medicine誌から出版されました!
日本人成人の患者さんを対象に、日本の外来で起こり得る可能性がある「処方のエラー」「予約のエラー」「話している内容が聞こえてしまうこと」が、担当医への信頼・医師全般への信頼とどのように関連するかを調べました。
本研究は、日本学術振興会(JSPS)の科学研究費補助金の助成を受けて実施されました。
🔗 詳細はこちら: https://doi.org/10.1002/jgf2.70086

Aita T, Miyawaki Y, Katayama Y, Yajima N, Gupta AB, Kurita N.
J Gen Fam Med 2025; doi:10.1002/jgf2.70086

日本の成人の 身体イメージのズレ と ヘルスリテラシーが食行動に与える影響 を調べた教員の研究成果が、BioPsychoSocial Medicine 誌から出版されました。Communicative and critical health...
04/12/2025

日本の成人の 身体イメージのズレ と ヘルスリテラシーが食行動に与える影響 を調べた教員の研究成果が、BioPsychoSocial Medicine 誌から出版されました。
Communicative and critical health literacy and eating behaviors in Japanese adults predominantly over 40: the modifying role of body image distortion
Kurita N, Maeshibu T, Shimizu S, Aita T, Wakita T, Kikuchi H.

日本では「やせ」「過体重」のどちらにも問題のある食行動が見られています。そこで本研究では、
👤 身体イメージのズレ(実際より自分を“やせている/太っている”と思い込むこと)
📚 ヘルスリテラシー(健康情報を理解し活用する力)
が食行動にどのように関係するかを調べました。

🔍 研究でわかったポイント
① 機能的ヘルスリテラシー(基本的な読み書き・理解力)が高い人は、
体型の思い込みの有無に関係なく、問題のある食行動をしにくい傾向がありました。

② 伝達的ヘルスリテラシー(相談したり、情報を活用する力)の影響は以下のように逆転👇
「実際よりやせている」と思う人 → 高いほど 感情的な食行動をとりやすい
「実際より太っている」と思う人 → 高いほど 感情的な食行動をとりにくい

③ 批判的ヘルスリテラシーも“身体イメージのタイプ”によって作用が異なる可能性

✏️ 基本的なヘルスリテラシーの向上は、身体イメージのズレがあってもなくても健全な食行動にとって有益
🧭 しかし、伝達的・批判的ヘルスリテラシーを伸ばすかどうかは、
 個々の身体イメージのタイプに合わせて検討する必要がある かもしれません

🔗論文はこちらからご覧いただけます:
https://doi.org/10.1186/s13030-025-00347-7

28/11/2025

📊 全国規模の「腰痛の疫学」データを用いた新たな研究成果のお知らせ

Kawabata S, Kurita N, Nikaido T, Tominaga R, Endo Y, Fujita N, Konno Si, Ohtori S.
Functional disability mediates the association between low back pain and sleep disturbance: Evidence from a population-based study in Japan
Spine (Phila Pa 1976) 2025; doi:10.1097/BRS.0000000000005576

2023年、日本全国の20~90歳の成人を対象に、無作為抽出+訪問調査による大規模な「腰痛の疫学調査」が行われ、日本腰痛学会より報告されました👇
🔗 https://www.jslsd.jp/book/lbp2023-lbp2023report_jpn-pdf/

今回、その貴重なデータを活用した 二次研究 として、
🛌 腰痛と睡眠障害の関係 について分析を行いました。

💡 主な発見

✔ 慢性腰痛のある人では、睡眠障害が多い
✔ 睡眠障害の増加は
 「痛みの強さ」よりも
👉 痛みによる日常生活の制限(機能障害)
 のほうが強く関連している可能性が示されました。

つまり、
“痛みそのもの” より “痛みが生活をどれほど困難にするか” が睡眠の質に影響する
可能性があるということです。

📘 研究論文はこちら
https://journals.lww.com/spinejournal/abstract/9900/functional_disability_mediates_the_association.1209.aspx

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