23/07/2026
今回のウィメンズヘルスセミナーでは、妊娠・産後に起こる「むくみ」を、単なる水分過多ではなく、静脈・リンパ管・内臓・姿勢の関係から学びました。
妊娠中は子宮が大きくなることで、下大静脈や腸骨静脈、骨盤内のリンパ管などが圧迫されやすくなります。
さらに、
・長時間の座位
・股関節屈曲位
・円背姿勢
・鼠径部の圧迫
・排尿を長時間我慢すること
などが重なると、下肢から心臓へ戻る血液やリンパ液の流れが、さらに妨げられる可能性があります。
そのため、妊娠・産後のむくみは、ふくらはぎや足首だけを揉めば解決するとは限りません。
腹部や後腹膜、骨盤内、鼠径部、胸郭、鎖骨周辺など、身体の中心部にある「還流経路」を評価する必要があります。
特に印象的だったのは、リンパ液の流れだけでなく、全身の水分回収の多くを担う静脈系を考えることの重要性です。
リンパを流すという言葉は一般的ですが、実際には静脈の絞扼や血流障害が残っていれば、末梢だけを刺激しても十分な改善は期待できません。
まず腹部で流れを作り、その後に鼠径部、下肢、胸郭、頸部へと評価を広げていく。
これは、局所だけを見るのではなく、身体全体の運動連鎖や循環経路から原因を考えるという、リアラインコンセプトやISR®︎にも共通する視点だと感じました。
また、妊娠中の四つ這い姿勢は、子宮を腹部の大血管から遠ざけ、圧迫を軽減できる可能性があります。
強い運動を行わなくても、四つ這いでゆっくり揺れる、呼吸によって内臓を動かす、長時間同じ姿勢を避けるといった方法は、比較的取り入れやすい介入です。
一方で、注意も必要です。
急激な片脚の腫れ、強い痛み、熱感、皮膚色の変化、息苦しさ、尿量の著しい低下、腋窩や鼠径部のしこりなどがある場合は、施術だけで判断せず、血栓症、感染症、腫瘍、腎疾患などを除外する必要があります。
リンパ節も単なる水の通り道ではなく、免疫機能を担う臓器です。
腫れている部分を強く揉んだり、しこりを潰すように刺激したりすることは避けなければなりません。
むくみは、見た目だけの問題ではありません。
筋内に水分が貯留すれば筋内圧が上がり、筋は張りやすくなり、関節運動や姿勢制御にも影響します。
静脈・リンパの流れを整え、柔らかく動ける組織を取り戻すこと。
それが妊娠・産後の身体機能を回復させるための、重要な土台になると感じたセミナーでした。
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