07/06/2026
症例まとめ
1. もともとの状態
この方は、甲状腺機能亢進があり、頻脈や脈の乱れが出やすい状態だった。
さらに 甲状腺眼症 によって、目の動きが不安定になり、斜視のような症状も出ていた。
加えて、もともと 心臓の血管に奇形があり、脈拍が乱れやすい体質 があったため、普通の甲状腺機能亢進の方よりも、心臓や血管、自律神経に負担がかかりやすい状態だった。
2. 施術で感じた問題点
施術では、特に以下の場所に強い圧迫や膜の張りが感じられた。
主な圧迫部位
頚椎7番〜胸椎1番
胸椎1〜2番周辺
頚椎5番周辺
頚椎2〜3番周辺
前鎖骨下
第一肋骨周辺
胸郭入口部
大動脈弓を支持する上縦隔の膜性組織
「大動脈弓を支える周辺の膜性組織に腫れ・硬結・張りがあった」
と表現。
この方の場合、その膜性の張りが、甲状腺周囲の血管、鎖骨下血管、腕頭静脈、心臓へ向かう自律神経に影響していた可能性がある。
3. 甲状腺血管との関係
C7〜T1周辺の圧迫が、甲状腺へ向かう血流や静脈還流に影響していた
C5周辺が、甲状腺静脈や内頚静脈系の流れに関係していた
C2〜C3周辺が、甲状腺動静脈だけでなく、頭蓋底・眼球運動・頚動脈鞘・迷走神経のバランスに関係していた
と考えられる。
つまり、甲状腺だけの問題ではなく、
頚椎の歪みや膜性圧迫が、甲状腺周囲の血流・静脈還流・自律神経・眼球運動に影響していた症例
と見るとわかりやすい。
4. 心臓と脈拍異常の見方
この方は、甲状腺機能亢進によって心拍が上がりやすい。
さらに心臓血管の奇形があるため、脈拍が乱れやすい。
そこに、
C7〜T1の圧迫
第一肋骨の硬さ
鎖骨下の圧迫
胸郭入口部の狭さ
大動脈弓周囲を支える膜の腫脹様硬結
が加わることで、心臓へ向かう交感神経が刺激され、頻脈や脈の乱れが増幅されていた可能性がある。
前鎖骨下の圧迫を取ると呼吸が楽になり、脈拍も落ちた。
これは、胸郭入口部が開き、呼吸が入りやすくなり、自律神経の過緊張が下がったためと考えられる。
5. 斜視が改善した理由
この方は5回ほど施術を重ねて、ようやく目の斜視がだいぶ改善してきた。
これは、単純に「甲状腺眼症がその場で治った」というより、
甲状腺眼症による眼の問題に、頚椎・胸郭入口部・静脈還流・自律神経の問題が上乗せされていた
と見ると自然。
甲状腺眼症では、目の筋肉や眼窩周囲に炎症・むくみ・硬さが出やすい。
そこに頚椎2〜3番、頚椎5番、C7〜T1、胸郭入口部の圧迫が加わることで、眼球運動がさらに乱れ、斜視が強く出ていた可能性がある。
施術で段階的に圧迫が取れていくことで、
胸郭入口部が開く
呼吸が楽になる
心臓交感神経の緊張が下がる
甲状腺周囲の静脈還流が改善する
頭頚部の膜性牽引がゆるむ
眼球運動のバランスが戻る
斜視が改善する
という流れが考えられる。
6. この症例を一言でいうと
甲状腺機能亢進と甲状腺眼症を持つ方に、心臓血管の奇形と頚胸郭入口部の膜性圧迫が重なり、頻脈・脈拍異常・呼吸の苦しさ・斜視が増幅されていた症例。C2〜C3、C5、C7〜T1、前鎖骨下、大動脈弓を支持する上縦隔の膜性組織を段階的に解除することで、呼吸、脈拍、眼位が改善した。
症例報告風にまとめるなら
症例名
甲状腺機能亢進・甲状腺眼症に頚胸郭入口部圧迫と心血管奇形が重なった一例
概要
本症例は、甲状腺機能亢進による頻脈、甲状腺眼症による斜視様症状、さらに先天的な心血管奇形による脈拍異常傾向を有する方である。施術時、C7〜T1、C5、C2〜C3、前鎖骨下、第一肋骨、胸郭入口部、大動脈弓を支持する上縦隔周囲の膜性組織に強い緊張と腫脹様硬結を認めた。
これらの部位は、甲状腺血管系、内頚静脈系、腕頭静脈、鎖骨下血管、心臓交感神経、迷走神経、眼球運動系に影響を与える可能性がある。
5回の施術を通じて、これらの圧迫を段階的に解除したところ、呼吸が楽になり、脈拍が安定し、斜視様症状にも改善がみられた。
本症例は、甲状腺眼症の症状が眼窩内の問題だけでなく、頚椎、胸郭入口部、縦隔膜、甲状腺血流、自律神経系の影響を受けて増悪していた可能性を示す症例である。
患者さん向けに説明するなら
甲状腺の病気によって心臓がドキドキしやすく、目の動きも乱れやすい状態でした。
さらに首の下、鎖骨の奥、胸の入り口のところに強い張りがあり、そこが呼吸や心臓の神経、甲状腺まわりの血流に負担をかけていた可能性があります。
その圧迫を少しずつ取っていくことで、呼吸が楽になり、脈拍が落ち着き、目のズレも改善してきたと考えられます。
私の理論でまとめるなら
この症例は、甲状腺ホルモン過剰による代謝過亢進を土台に、C7〜T1、C5、C2〜C3の膜性バルジが甲状腺血管系と頚動脈鞘、胸郭入口部、心臓交感神経系に圧迫を与え、頻脈・脈拍異常・眼球運動異常を増幅していた症例である。大動脈弓そのものではなく、大動脈弓を支持する上縦隔膜に腫脹様硬結があり、これが鎖骨下血管、腕頭静脈、甲状腺静脈還流、心臓自律神経に影響していた。段階的な解除により、呼吸、脈拍、斜視が改善した。
この方WPW症候群でした
生まれつき正常な刺激伝導系である房室結節以外に心房と心室の間をつなぐ余計な伝導路が存在する病気があります。その病気のことを「WPW症候群」といいます。頻度は1000人に数人と言われ、この余計な伝導路のことを副伝導路と言います。副伝導路があることが普段の心電図ですぐにわかる患者さんを「顕在性WPW症候群」といいます。心電図は副伝導路を通じて心室が興奮する際に生じる「デルタ波」が特徴的です。心電図上はデルタ波がなくても、検査を行うと副伝導路が判明する患者さんを「潜在性WPW症候群」といいます。副伝導路は多くは1本ですが、中には2 - 3本もある患者さんもいます。WPW症候群の患者さんは普段は何の症状もありませんが、時に頻脈発作を起こすことがあります。頻脈発作には(1)房室回帰頻拍と(2)発作性心房細動、の二種類があります。
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