鍼灸医学の門(鍼聖岐伯)

鍼灸医学の門(鍼聖岐伯) 「鍼灸医学の門」は、私の鍼灸治療の具体的に説明です。鍼灸医学の知識を持った方を対象に書かれています。
一般の方は、Facebookページ「セイ鍼灸院」をご覧下さい。
どちらでも「質問」にお答えします。

17/04/2026

【 通経活絡膂筋補虚 】

腰痛…の鍼治療に…
【虚実・補瀉】は必要か?
結論から言えば「必要」です。
慢性的な腰痛…もっとも、鍼灸院へ来る患者さんのほとんどは『整形外科、接骨院へ通ったけど治らなかったから来ました』と経過が長い。

張った感じの痛み…気の鬱滞を瀉法的な手技で流れを良くすればよく。瀉法のみ(補瀉を意識してなくても「瀉法」になっている)で済む。

自覚的に張った感じがない、または、弱く、他覚的にも張りや硬結・圧痛がハッキリしない…、しかし、患者さんは『重い感じ』で腰がスッキリしない…と言う。

この「重い」と言う症状には、二通りの解釈がある。
1つには…、浮腫など水湿の滞り、もう1つは…、筋力低下だ。

舌診で、舌苔が厚い、湿ぼったい、ベタついていれば…湿邪を瀉法で除くことが必要だ。
この状態で…脈診が、柔らかく弱いからといって…ただ脈診だけで補うと…変な実脈となり…誤治となる。とくに、六部定位脈診で比較して左関上が最も弱いからと言って…太谿や復溜など腎を補うと、腎の「水」に対して湿の「土」は「土克水」の賊邪に当たる…これを深く押し込むことになりかねない。そのような誤治を腎機能が低下しているだろう高齢者に繰り返したら…さて、どうなるか?
したがって…虚脈系の脈、軟・柔らかい場合、舌診は重要不可欠です。
虚では、舌質…色淡く、柔らかく舌質の縁に歯の痕「歯痕」がある。この場合でも、舌苔の湿潤、ベタつき、膩苔(じたい)などが見られるときは、先ず瀉法にて…水湿の邪気を除くことが必須となります。

冒頭の…
「通経活絡膂筋補虚」…は
先ず、通経活絡…経脈の気血の循環を良くし局所の循環の絡脈を活発にする…その方法は、瀉法で…経脈の気の鬱滞の原因を除きます。
次に、膂筋(腰背部脊椎側の筋群のこと)の筋力低下「虚」を補います。

11/01/2026

#被害妄想 #男性更年期 #監視されている #ストレス #怒り #肝気鬱滞 #肝鬱化火 #腎陰虚 #腎精虚損

【2回の鍼治療で2年間つづいていた「被害妄想」が無くなった。】

患者男性(55才)の妻によると、患者男性は『2年前、突然会社を辞め住所地を離れ他県へ単身で転居し他の会社へ再就職した』という。
その理由が『元の会社の連中が自分を攻撃してくるからだ』という。
転居先では、住居アパートから離れたところに2ヶ所に駐車場を借り、毎日遠廻りした違う道順で帰宅するという。その理由が前の会社の関係者に監視されているから見つからないようにしているという。

「そんなことないから」と…妻が説得しようとすると、目をちばしらせて怒り出すといいます。
精神科は対症療法的に薬漬けにされたくないので受診していない。
心理士のカウンセリングも何度となく受けたが…、心理士が『無理です』と投げ出してしまったという。

困り果てて、神社巡りをしたり、はたまた…気功や心霊治療にまで頼ったりしたが、全く治る気配も無く今日に至っている。

当院へは、男性の持病である鼻づまり(蓄膿症)の治療名目に妻が連れて来ての受診でした。(昨年12月)

脈  診
■脈状:有力 
■六分定位比較脈診:
右関上(脾胃の見どころ)有力

舌  診
■舌質:全体的には淡紅色だが
    舌側面は暗紫色
■舌苔:薄く湿やや少津

腹 診 :
臍の左側(肝の見どころ)に張り

■鼻づまり→肺気不宜
■蓄膿→痰熱瘀血

その他…患者妻からの聞き取り

■被害妄想「監視されているから見つからないように行動している」=恐怖心、おびえ=腎虚証

■会社のストレス=肝気鬱
■怒り=肝気鬱
■目を血走らせる=肝心火熱

🟦鍼治療
①大衝瀉法(臍左側の張り圧痛の消失、ならびに脈状の有力の改善を目安に→肝気鬱を除く)

②三陰交瀉法(肝気鬱に伴うと血流の鬱滞)

③列欠瀉法(鼻づまり=肺気不宜の改善)

④合谷、豊隆、印堂〜鞍、迎香(鼻づまり、蓄膿症の改善)

⑤申脈(項部の凝り=足太陽経脈の気の流れの改善)

⑥頚椎側刺鍼…第2、3、4、5…(頸部の凝り=緊張を除去)

⑦風池(頭面部脳内血流の改善)

⑧太谿補法(腎陰腎精の補益)

…………………………… 以 上 …
初診時(2025/12/20)の治療

🟥備考…患者は55代で、男性更年期の不安定な精神状態に会社でのストレスが重なり「被害妄想」を発症したもので、肝気鬱滞が腎陰不足のための肝陽上亢と重なり、気鬱化火、肝火上炎し易くなり、腎陰との相互安定を欠いた心神(=精神)の不安とも関連しあったものです。
患者妻へは、「病院の男性更年期外来を受診しホルモン補充療法を受ける選択もあります」と説明しました。

🟦鍼治療
第2回目(2025/12/28)
前回治療後…
■鼻づまりは無くなった…という
妻の観察では「目が澄んで落ち着いた感じ」という

前回と同様の治療
一部追加変更
○大衝瀉法…豊隆瀉法…陰陵泉瀉法(肝気鬱に痰が絡むのを除去し、水湿を処理する)
○内関瀉法(胸中の気を和し心神を安定させる)

🟥2026年1月10日
妻からの聞き取りによると…
鍼治療を受けてから、「見張られている」など…の被害妄想を口にしなくなったと言う。
年末年始の休みに神奈川の自宅へ戻ったが、以前は「見張られている」からと絶対に行かなかった場所へも足を運ぶことが出来た…と言う。

住所

林間1丁目20-13 シーザースパレス201
Yamato, Kanagawa
242-0003

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